Kimono Remake

四季の彩り「秋」紅葉 - Colored Leaves -

晩秋に楓の葉が霜にあたって赤く色づいたところを表した色目。

茜、たたき染めの着物からコートへのリメイクのご紹介です。

着物の仕事をされているご依頼主、着物を大切に思う気持ちが込められたリメイクご依頼です。「織り、染め、お仕立て全ての職人、その背景に敬意を感じています。この価値を失うことなく、最小限のハサミ入れだけでリメイクをして欲しいです。着物を着る機会が年々減ることに対しての寂しさ、それでも愛する着物を活かして着続けられたら嬉しい。この気持ちと、現代の日常に寄り添う着物コートがあったらいいな、そんな着物コートを着たいのです。そして着物をご愛用いただく方にもご提案もできたら嬉しいです」着物に対する愛情と優しさ溢れる話を聞かせていただきました。

今回のリメイクは3つの変化だけで試みました。「着丈」「袖」「襟」

直線だけで構成され、全て手縫いによって仕立てられた着物。着物に惹きつけられる訳、人によって捉え方は様々ですが、洋服と大きく違う点は形です。多種多様の素材であろうと基本的に形は同じです。世界中の衣服を探してもなかなか無いのでは、と驚かされます。日本の伝統着物を現代の私たちは引継ぎ、この先の未来へと繋げていく。その中で、今回のようなリメイクで着物が活かされる形があっても素敵な事だと思います。さらにファッションが楽しくなっていきそうです!

着物について。

今回お預かりした着物を知りたくなり着物について調べてみました。着物の染めは「先染め」と「後染め」の2種類に分けられ、そして様々な技法「友禅」「江戸小紋」「絞り」「型染め」などから独自の表情や豊かな模様で魅了をしています。

今回の着物は「たたき染め」です。

ろうたたき染めのことを言うそうです。溶かしたロウを筆に含ませて棒でたたきながらロウの粒を着物に落とし、その後に染めるとロウがついたところは防染されて粒状の模様がほどこされるというものです。無地の着物にたたき染めが施されることで趣は豊かになるのです。

伝統の着物と思いきや、昔の人は実はとても前衛的であり、革命的なことをしているものだな、と面白く感じました。きっとロウを落とすバランスはデザインとしても技術も思考錯誤しながら楽しみの中で生まれたのかもしれません。私もやってみたくなるほど興味が沸きました。現代でいうストリートペインティングを先人は高い技術で粋に表現しているのです。素敵な着物を拝見できてうれしくなりました。




着物をほどく中、全て手縫いの内側の様子を手に取り、運針を追い、時をかけて仕立てられていると知ります。ひと針ひと針は正確な運び。呼吸も安定しゆっくりになるようです。私たちは日々忙しく過ごし、温かく感じられるひと針ひと針のようなものを見逃しているかもしれません。

この着物リメイクを通して、いくつかの工夫や新発見を感じ取れました。今後に繋げられる良い経験になりました。

どうぞ参考にしてみてください。

atelier rei

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