Remake - スカート丈伸ばし -




スカート丈伸ばしのお直しをご紹介。

-タータンチェック- と -キルトスカート-

もとはスコットランド(ハイランド地方)の民族が衣服に使っていた毛織物。
タータンは日本でいう家紋のようなもので、各地方によって様々な色柄が生まれ、チェックのパターンによってクラン(氏族)がわかるようになっています。
キルトスカートとはスコットランドの民族衣装で、 プリーツが施されたタータン柄の腰巻きです。氏族の男性用フォーマル衣装として着用されています。



今回はトラディショナルなタータンチェックのキルトスカートの丈伸ばしです。
膝丈のスカート丈が現在ではご着用されなくなりロング丈へのリメイクをご要望。
(画像 : 左上 )

プリーツの巻きスカートから裾部分の丈伸ばしが構造上困難な為、ウエスト部分での丈伸ばしを施します。
どの様な別生地を合わせるかお客様とご相談し、チェックとの相性が良いデニム素材を。
デニムも多種ご用意し、グリーンベースのチェックにはノンウオッシュで赤耳のセルヴィッチデニムが採用となりました。デニムの中でもパリッとしたタイプが好相性です。
(画像 : 左下 )

ウエストヨークとして伸ばす丈を作り上げ、ウエストサイズに合う様に切り替えを入れてぴったりと組み立てます。
巻きスカート仕様から新たに作ったウエストヨーク部分も比翼仕立て (内側に釦止め) により元のスカートを崩さない仕様を保持するデザインです。
(画像 : 右)

見えない所ですが、元ウエストがヒップに位置に移動しますので巻きスカートの巻き込み部分の調整も必要になります。足りない巻き込み部分にはグリーンウール生地を付け足し、歩いた時に足が覗くとこのない安心のスカート部分を実現しました。


グリーンにネイビー水色、オレンジ。老舗メゾンならではと感じるタータンチェックのカラーリングとピッチもバランスは絶妙です。手放せない理由が分かります。
膝丈のキルトスカートからロング丈に変わりこの先もご着用いただけるようになりました。

このあとお客様ご自身でウエストヨーク部分にオレンジの刺繍糸でチェックのラインステッチを施されるそうです。
このようにお客様もこうだったらいいな、とご自身で手を加えられていく。
一つのリメイクにもう一つのリメイクが重なりどんどん愛着が増していくのだと感じ、とても嬉しくなります。
出来上がりが楽しみ!

トラディショナルな洋服は時代を超えていく、いいものだなと感じます。


atelier rei

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