コートの襟元デザイン




2017年4月、< shop22 > (愛知県名古屋市) にて開催の「出張お直し相談会」で秋冬に向けてご依頼いただきましたリメイク事例をご紹介。
こちらはセレクトアイテムの目利き同様、ファッションにも独自のスタイルとセンスを確立させているshop 22 店主からのご依頼です。


コットンバーバリー素材、スタンドカラーのトレンチコート。
襟元のリメイクをご紹介。

軍モノからと思われるディテールを取り入れたスタンドカラー。本来は防風の為の実用的な襟。
襟元のデザインはコート全体の印象を決めるといってもいい程でコートの顔になります。
このデザインの襟を現在は着用するには強い印象になり、もう少し抑えた印象になる様に襟を外したいとのご要望です。

- 襟元デザイン -
単純に襟を外した襟元はクルーネックと言われる丸首になります。
今回はデコルテ(鎖骨)が見えるくらいのラウンドネックに首元を広げました。
このラインは女性らしさを最も表す首元と言われます。
襟を外しハードな印象から、力が抜けニュートラルで洗練された印象を感じられます。

トレンチコート、スタンドカラー 、コットンバーバリーは全て「制服」というの要素が入っています。その事により全体的に硬派な印象ですが、デコルテネックという女性的なディテールが相反する要素として加わるとグッと違ったものに見えます。なんだろうという違和感からは柔軟性が高まり、コーディネートの自由度が増します。

この自由度は襟があった時には思い描かなかった「inside out」(裏返し)に着ること。〈リバーシブルコート〉へ広がりました。
リバーシブル仕様の為に釦の付け替えを施します。
力釦として付けられていた「黒」をヒントに「黒」をアクセントに遊びます。
小さな釦、大きな釦がアンバランスにあるのも、なんだろうという違和感からのご提案です。


硬いものを柔らかいものへ、またその逆も。
少しの変化で振り幅は広く振れるファッションは柔軟性と感じます。

どうぞご参考にしてみてください。




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