Remake - スプリングコート -


Before



After



多色使いチェックのテキスタイルが魅力的なスプリングコートのリメイクをご紹介。

以前他でリメイクを施されお気に入りで着続けているスプリングコートです。
現在はもう少し身体にあったサイズ、デザインに変えていきたいとのご依頼をいただきました。


-リメイク前の状態- (画像 : 上)
⚫︎無造作にいくつものタック(つまみ)から出来上がった独創的なフォルム。
個性的で独特なタック処理が特徴です。
膝付近はタックによって裾絞りのシルエットが見られます。
タックは表に出し「角」や「尾ひれ」の様で表面に凹凸感、面白いディテールを見せています。
⚫︎着丈は足首近くあるロングシルエット


-リメイク内容- (画像 : 下)
⚫︎フォルムの再構築
女性の身体に沿ったスタイルを基礎として、ご依頼主様に似合うバランスに仕上げていきます。
表に出すタックのディテールは受け継ぎながら、新たなフォルムに再構築していきます。

スタートは着丈のカット(約10cm)から。
裾の広がりの想定を置き、分量調整の為に一番最初に行います。
着丈が決まりタック処理によってフォルムを再構築していきます。
ハサミで生地をカットするのではなく、タックのみでフォルム作り上げるのはプリミティブでとてもシンプルな技法だと感じます。
どの位置で生地を摘むのか。どのくらいの分量の生地を摘むのか、どこからどこまで摘むのか。
この3点からこうしたい、こう思うを形にしていくのです。
フラットな生地を立体化へ。

フォルムを作ると同時に、表に出すタックは視覚的にも印象を与えるのでデザインポイントとして感じさせていきたいものです。
タックの凹凸は陰影が表れ、とても彫刻的な装飾デザインが加わっていきます。
身頃はウエストシェイプをして、膝付近にあったダーツは外し、裾広がりラインを実現しました。

袖へ移ります。
身頃からの流れで続く袖、シルエットデザインを調和させていきます。
二の腕部分はタックを入れず膨らみを持たせ、袖口はバランス良くタックを加えて絞ります。
メリハリのあるパフスリーブのデザインを持たせました。

今回はタック処理だけのテクニカルでシルエット構築を試みました。
一番お分かりいただけるのは画像のそれぞれの下段、右端をご覧になってください。
(ビフォー) 長方形のラインから (アフター) X型ラインへ変化が見られます。



摘むところは細くなり、摘まれてない所は広がる。シェイプとボリュームの関係性。
生地だからこそ生まれる動きや流れる表情を楽しんでいただけたら嬉しいです。
シルエット構築はタックのディテール遊びなどからもご提案いたします。
鏡の前で前、左右、斜め、後ろ、360度洋服チェックをしてみてください。
ここのシルエットこうだったらと感じられたら「シルエット構築のリメイク」をお勧めいたします。
前よりぐっとおしゃれが楽しくなります。



そしてさらにおしゃれが楽しく感じられる「Inside out」(裏返し)をご提案。
元々のお仕立てにブルー配色のパイピングが施されていました。実にアクセントが効いた良いブルー配色。表にして見せたい!
この裏返しでのご着用はお依頼主様の雰囲気にピッタリ合うのでサプライズのご提案をいたしました。
リバーシブル対応にボタン、ポケットの実用仕様を加えて完成となりました。


スプリングコートが活躍する季節を迎えます。
どうぞ参考にしてみてください。



atelier rei

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