2 piece shirt remake Vol.2

リメイクの本編をご紹介させていただきます。

ーリサイズービックシルエットのシャツサイズ設定。

着丈:(前)79cm(後)82cm

バスト:132cm

肩巾:57cm

裄丈:63cm

袖巾:28cm

2枚のシャツから1枚のサイズにリサイズ。素材分量は問題なしです。横幅も問題なく広げていけます、しかし縦方向の丈伸ばしは単純に導かれず、この課題はデザインによって解決をしていく事柄になります。

大枠の型紙を製作して、その上にどのように2枚を組み合わせてサイズを確立していくかがリメイクの醍醐味であり、目指すデザインが生まれるプロセスになります。

グリーンの濃淡の2枚のシャツを組み合わせていく中で、それぞれの個性がぶつかり合い、良い調和を奏でたいと心に思いました。

アイデアを沢山出しては却下し、また他のアイデアを出して却下しながら、他の素材を組み合わせるデザインに至りました。効果的な使い方で2枚のシャツを引き立て、さらに別テイストを加えて新しい方向に導く素材を組み合わせします。

「ベルベット」毛並みのある素材で艶めいた光沢感、高級感が特徴の素材。

今回使用したベルベット生地は毛並み方向が波を打ったようにランダムに仕上げられた「クラッシュベルベット」を採用しました。高級感を崩すために施された毛並み加工です。

「キューバシャツ」社会主義国のどこか漂う時代の鎖国感、オーブンカラーの懐古趣味。

「ピストルプリントシャツ」ギャング、アメコミ、アンダーグランド感。どちらも懐かし気で危うい匂い、さらにベルベットの艶めいた素材で上塗りをして雰囲気をもう一歩倍増させていく。悪い奴を作ってみたくなりました。

ーレイアウトデザインー

悪い奴を作ってみたいと思いながらも、ただただ悪い奴を作るのでなく相反してバランスは整えて綺麗に仕上げていく方向に転換しました。とても複雑な絡み合いをごくシンプルなデザインに昇華させてさらりと着られるシャツが最終的に目指したデザインです。

「キューバシャツ」「ピストルプリント」「ベルベット」「ビックサイズシルエット」様々なテイストと条件をミックスして1枚のシャツを仕立て上げる。

ダイバーシティ(多様性)といわれる世の中、私はまだまだ実感し共感も体験も乏しい中にいますが、このシャツのリメイクに携わった数か月は、いつもこの言葉から国や時間、世界を感じずにはいられませんでした。このように感じられるのはファッションという存在があるからだと思います。ファッションは着飾るだけのものではなく、着ることは感じる事であるように思わせてくれます。心を動かすものだと思います。

ご依頼主(男性)によるメンズシャツのアイテムですが、多様性からヒントをいただき、自由にコーディネートをしてみました。なににも捉われない空気を感じていただけたら、もっとファッションが楽しくなりそうです。

今回はとても刺激的なリメイクに出会えて、今でも製作期間を思い起こすと胸が高まる思いでいます。とても楽しかったです。

Thank you S.T!

こちちらは7月にUNEVEN GENERALSTOREにて開催いただいた「atelier rei出張お直し相談室」でご依頼いただきましたリメイクでした。リメイクにあたりUNEVENスタッフの皆さまにも相談に乗っていただき、こうして形にきできました。

ご依頼主さま、UNEVENスタッフの皆さまありがとうございました!

atelier rei

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