2 piece shirt remake Vol.1

「キューバシャツ」と「ピストルプリントシャツ」のドッキングリメイクのご紹介です。この個性的なシャツ2枚を組み合わせて1枚のシャツへ作り替えていきます。


初めて見たキューバシャツ。興味深くなり調べてみました。

キューバシャツは、本国キューバでは冠婚葬祭や公共の職員の着用など、正装としても認識される伝統ある洋服だそうです。襟が開襟(オープンカラー)により、胸元の通気性が良く涼しさを確保できます。これはキューバの高温多湿な環境の中でも快適に過ごせるように作られたと言われていますが、起源は判明しておらず、サトウキビ農家のワークシャツであったなど諸説もあるそうです。

キューバシャツという名前から、キューバの人が着ている印象が強いかと思いますが、実はメキシコ人(農家などの作業員)が着ている割合の方が高いといわれています。これは昔、キューバからメキシコのユカタン州に渡ったのち、Guayaba(グアバ)農家が着用していたことに由来します。

このことから、メキシコではキューバシャツのことをGUAYABERA(グアジャベーラ)と呼び、農家の方が作業服として着用しています。作業時に多くのグアバをポケットに詰めて帰れるように、ポケットの数を2から4つに改良しながら、メキシコ製キューバシャツになっていったのです。一般的なシャツでは見られないポケットの数もなるほどね、と面白くなります。

そして一番の特徴として目を引く刺繍やプリーツは1点1点異なる装飾が施されています。ラテンカルチャーのアイコンを作り手が刺繍でデザインしたと言われています。

フロントのプリーツや刺繍、肩や裾に施されたボタンの数々は少々装飾的で謎です。いったい何の意味があるのかまだまだ調べていくと奥が深そうです。民族衣装は、ミリタリーウエアのように機能一辺倒でもないところが面白くて好きな洋服です。

訪れたことがない2つの国(キューバとアメリカ)。一方は社会主義国の民族衣装、もう一方はスケーターカルチャーの中心的な役割とピップポップやパンクなどカウンターカルチャーに位置する存在。個性的な洋服を目の前にして少し興奮しながら思い描くデザインのリメイクに取り組みました。

生地の組み合わせに加えてタイトシルエットのシャツを大きなサイズへ「リサイズ」も大きなデザインポイントになります。大いに遊びます。

次はリメイクへとつづきます。お楽しみに。


atelier rei

洋服の修理、リメイク、オーダーメイドをはじめオリジナルのウェディングドレス制作も承ります。 洋服に関することでしたら、何でもご相談ください。