裂き織布からラグへ。

ー裂き織りとはー  日本の裂き織りの始まりは江戸時代に生活の知恵や時代背景の中、古くなった布を裂いて紐状にし、織物の材料として新たな用途へ生かした織り方です。

着られなくなった着物さえも捨てることなく、また新しい着物を買う贅沢を抑えられていた時代は着物を裂いて織物の材料にしていた。着物は生地の反巾のまま仕立てられているので、ほどいて生地を裂くにも好都合、直線を利用できることから直感的にアイディアが生まれたのかもしれないな、と想像を膨らませました。生地を裂く作業は手の感触、生地を裂く音も潔い。「すぱーっ、しゃーっ」と両手で思いっきり裂く、材料作りはとても根気が要りますがこの気持ち良さと楽しさは、きっといつの時代も無心になれる時間を与えてくれるものかもしれません。

今回は「裂き織布をラグへ」の製作依頼をいただきました。

裂き織布サイズ:巾360×全長3800mm

ラグサイズ:1340×1340mm

color: red , navy , brown , charcoal , sky blue , olive , gray (7color)

全長3.8mの裂き織布を3分割し、それぞれをハンドステッチで繋ぎ合わせます。3枚繋ぎ合わせた裂き織布の外回りには、縁取りに別布を加えてご希望のサイズに仕立てます。裂き織布の特徴は、一定ではない色と素材からなる特有の表情があります。微妙な混じり合いは見ていても飽きません。そんな裂き織布に習い、縁取りは7色を用いそれぞれのバランスを崩した自由でラフなカラーバランスの構成。

一日を通して見上げた空の色。時間の流れによって変化する空の色を表してみました。


本格的な裂き織りをしたことがないのですが、今回の製作からいつか裂き織りをしてみたいいと思いました。ハンドクラフトとプロダクトの間のようなどちらで織ったのか分からない生地を織る事ができたら面白いだろな、と楽しみは膨らみました。

「こんな物があって、あんな物にしたいな!」とご依頼主はいつも好奇心いっぱいにアトリエを訪ねてくださいます。いつも暮らしを楽しむことを実践されている。私はこの好奇心がとても励みになっています。その中に入れることが楽しくて嬉しいです。

自分の暮らす家の中はとことん自由で良いに決まっています。アイディアが溢れ、それを形にしたものと暮らす。とても充実した暮らしの姿だと感じます。なにものにも捉われない、自分の思うままのもので囲まれた暮らしが理想です。

どうぞ皆さまも参考にしてみてください。

atelier rei

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