Memories of summer vacation 2021

アトリエでのこの夏休みの思い出をご紹介します。

小学一年生の女の子、中学3年のお兄ちゃん(にいに、と呼んでいます)の兄妹が夏休みの宿題をしにアトリエに来てくれた時の出来事です。にいにの宿題は「フェルトで”指人形”を作る」です。

【にいに編】

糸の扱い、針の持ち方、玉止め、針の進め方をレクチャーして、にいにはぎこちなく、時には、ああああああ!と糸がからまって落胆する声を漏らしながらも、1時間後には玉止めも出来るし、均等にステッチも進ませられるように上達が見られます。とても集中して取り組んでいたから「肩凝った!」なんて言ったりする。少し感覚が分かってきた頃、私のアドバイスには「そうだね!その方が縫い目はきれいいだね、やってみる!」こんな会話まで発展をしている。

出来ないと思っていたことが出来るに変わった事、達成感に満ちはにかんだ笑顔を終わりごろに見せてくれました。わたしも達成感を一緒に味わわせてもらった。

【妹編】

小学一年生の妹はその間、絵を描いて遊んでいました。彼女の描いた絵に私が刺繍をしました。かわいい絵を見て刺繡がしたくなってしまったのです。テクニックは全くないのですが好きな色を選び、適当な針運びで絵の中にチクチク、糸を埋める。それがいいな、一瞬子供になっていくような感覚を味わいたくなったのです。

そして彼女の読書感想文の宿題に選んだ本を教えてくれました。「あなふさぎのジグモンタ」。主人公のジグモンタ(クモ!)は自ら糸を作り、穴をふさぐ仕事をしています。8本の手足を全て使います。歌をうたいながら、とても楽し気にお客さまに喜んでいただきたいという気持ちを込めて「また着られるようになりますね。」穴ふさぎの仕事が大好きなんだそうです。ジグモンタはとてもやさしさに満ち溢れている、心温まるこの絵本の世界にぐっと胸が熱くなりました。

その日の夜、自宅に帰った彼女はお母さんとお風呂に入っているとき、「レイさんとジグモンタは同じだね。お洋服を直している。そしてサスティナブルをしているね。」と話しをしたそうです。小さな彼女の目にはアトリエでの風景をそんな風に感じ取っていてくれたことを知りました。彼女のお母さんは、「物を大切にすること、それはこの先の環境のこと同じように大切だと感じ取って欲しい」と以前私に話をしてくれました。彼女はきっと直観的に良いものを素直に感じられていると思います。

この兄妹との夏休みの思い出は私にも大切な楽しい思い出になりました。夏休みって大人にとっても学びの期間になりますね。出来上がり刺繍は額装をしてお礼の気持ちでプレゼントしようと思っています。


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